2026/01/27 15:16

(写真は、東山魁夷「緑響く」の取材地、みしゃが池)


武蔵野美術大学、造形学部 油絵学科で学んでいた頃は、ヨーロッパの美術館を訪れ、現代美術と呼ばれているアートを志向していました。立体作品や写真、映像を用いたり、自分なりの表現を模索していました。


大学ではデザインにも通じる造形についての基礎的な勉強や、油絵科では西洋においてのアカデミックな美術教育、石膏像の木炭デッサンに始まり、テンペラ画の実習をしたり、彫塑や油絵を描いたり。西洋美術に軸足を置き、その上で自由に自分たちの表現を試みていました。途中から学友たちの影響もあり、自然と西洋美術史の流れにそって、より新しい表現・概念である現代美術を志向するようになりました。


長野に来て、大自然にふれ、自然とまた絵筆を持った時には、西洋美術の潮流や創作活動の迷いなどは頭から消え去っていました。東山魁夷画伯の伸びやかな自然の風景の絵画のように、壮大な自然が教えてくれる多くのことを感じるようになりました。


周りを海に囲まれて緑多く、自然の恵み豊かな風土に暮らす日本人は、古くはいにしえの時代から、自然を尊び、自然とともに暮らしてきました。四季を楽しみ、季節を歌に詠んだり、生活にも取り入れてきました。屏風や陶器、着物などの図柄には、花鳥風月が多く好まれています。東洋的自然観とも言える、そういった日本人ならではの感性を大切に、これからは、自分がその時々に美しいと想う、その気持ちを大切に、より純粋にアートとも向き合うことができそうです。